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おとうと

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今月のシンキョークはこれです。
左の人が右の人にむけて書いたうたです。
左はわたくしけんいち、右はおとうとです。
じもとの公園で、神輿があってジュースとパン?持ってるんでたぶんこども会のお祭りでしょうなぁ。

新曲!!その名も「おとうと」です。佐渡島さんと一緒に作るようになって4曲目。明るい雰囲気の「ともだち」「いぬいぬ」と続いたんで、「次はバラードでいきましょう!」というのは決まり、では何についてうたうか、事務所のコルクで話し合いました。。。。
。。。。。。。
。。。。。。。
いやあおぼえてない。笑
まっっっっっっったく思い出せない。が「おとうと」に決まりました!(すんませんまじで記憶にない)

で、まずはおとうとに手紙を書きました。
それがこちーら

んで佐渡島さんにソウシーン!で、まとめていただいたのがこちらっ!

お前がいじめられて学校に行けていなかった頃、
俺は荒れていて家にあまり帰らなかった。
ある日、いじめられていることをお前はある人に告白した。
俺はその人から聞いて知った。
だが見捨てた。お前を助けなかった。
お前は就職した会社を1日で辞め、東京のうちに転がり込んできた。
しばらく2人で暮らしたが、ちゃんと話したことなかったな。
いじめを守れなかったことがずっと心の中にあって、
お前と向き合えなかった。
数年暮らしたのち、お前に彼女ができて出て行った。
そして結婚。
家族に泣きながらありがとうって伝えてくれたことが、死ぬほどうれしかった。

相変わらず大事なことは話さないが、
言わずとも、思い合っていることが大切なんだと思う。

きれーい!ながれきれーい!
って感心しとる場合じゃなく、これを歌詞にする。

しかし時間がない。訳あって来月の新曲である洗濯のうたを、先にある程度仕上げないといけなくて、とにかく時間ない!というわけで、わたくし「長男ズ」というユニットを人知れずやっておりまして

(左から、時光真一郎、わたくし、sugarbeans  ひっそりと、オファーお待ちしております笑)

この長男ズでうたうためにストックしてあったサビを、ひっぱりだしてくることにました。それがこーれ!

これだけだと曲が成立しないので、まとめてもらったあらすじを歌詞にする。ある程度うたの材料がそろったので、ここでいったん整理整頓。

これはおとうとへのうた。
なんだかきれいなメロディーとかそういうのじゃない気がする。
歌詞が重めなので、すべてのメロディーで感動させにいったらやりすぎ感がでてクドくなる。

なので、こうすることにした

手紙だから、話聴かすように。
語り口調でメロディーに落としこむ。
おとうとへの心に秘めていたおもいなので、キーは高くないほうが自然。下げよう。

んでできたのがこれ!

佐渡島さんにソーシーン!

「すごくいい感じです!ただ、前半と後半のメロディーがうまく呼応してない気がします。後半でもっと揺さぶられたい。曲名をみて曲を聴くとは限らないので、誰に向けたうたなのかが、うたのなかでわかる方がいい」

毎回ですが、佐渡島さんからのフィードバックは本当にうれしい。この段階でなぜいまひとつなのか、そしてどうすればいいのか。原因がはっきりわかるということは、すぐに対策をたてられるからだ。
佐渡島さんに指摘いただいた点をふまえて改善点をあげてみる。

現状曲の構成はAメロとサビのふたつで、後半もっと聴き手の気持ちを揺さぶるためには演出が足りない。なら、最高の気持ちでサビにいってもらえるように、すこしだけ雰囲気のかわるBメロを作る。
そこに絵がうかび、かつぼくの気持ちが読み取れるようなエピソードを入れる。
分かりやすく、「なあおとうとよ」と、冒頭にいれる。
そもそも関西人で普段関西弁でおとうとにはなしてるし、関西弁にする。
メロディー < イントネーションでいく。

で、できたのが

うん、うたいなれてなさすぎてラップみたいなっちゃってるけど、いい!

さっそく佐渡島さんにソーシーン!

「曲の雰囲気まったくかわりました」「伝わります」

と言ってもらえた。やったぜーい!
と、先月までならここで完成!アレンジへゴー!なんだけど、これまでやってきてもっともっと佐渡島さんのちからをかりて、よりいいモノにしたいので歌詞をより詰めた。

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贅沢。佐渡島さんにすぐフィードバックをもらえる状況、ほんと贅沢。で、歌詞完成。

ラインのやりとりをみてもらえたらわかるのですが、毎月締め切り15日なんです。この時点で歌詞決まってないってやばすぎておもいだしただけでも変な汗でるぅぅぅぅぅぅ。

完成した歌詞!

おとうと歌詞

デモの時と歌詞が違っています。とくにサビ。はじめにかいていた歌詞は「父ちゃんがじいちゃん亡くなった時以来の涙をみせた」「母ちゃんのきれいにしてきたメイクが涙でおちていた」ということを書いていたのですが、佐渡島さんから

「それって起きて目で見たことじゃないですか。そうじゃなくてけんいちさんがその時どうおもったのかを知りたい。」

今回曲をつくる中でぼくが一番感動した佐渡島さんの編集はここです。心を揺さぶるいいコンテンツの作り方を佐渡島さんはずっっっっっと考え勉強しているから、漫画でも音楽でも読者聴者が感動するよう、一番もりあがるべきところにピークをしっかりつくる編集をすることができるんだとおもう。


そしてアレンジ。これまたsugarbeans。いやあ。もう。彼と出会って13、4年かな。このデモを送っただけでとくに何も言わずとも、おもった以上になってかえってくる。ぼくがどんな気持ちでこのうたを書いたのか、デモを聴いて深く理解してくれている。アレンジしてかえってきた曲を聴いていたら「ありがとう」と伝えたくてたまらなくなりました。こんかいもサイコウだぜ、sugarbeans!!

それにこれも毎回なんだけど、今回はとくにTD、エンジニアの上野さんがサイコウの仕事をしてくださいました。これうまく言えないんだけど、聴いてくれる人が、より歌の世界に入っていけるように音を調整してくれているの。今回まじすげえの。

で、いよいよ「おとうと」できあがり!どうぞ、聴いてください!!

Piano , Programming & Arranged by sugarbeans
Mixed & Mastered by 上野 洋

このうたを作るにあたって、おとうとに聞きました。するとこう返ってきました。

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もう、気合いでいいの書くしかないでしょ。。。


で、できたの聴かせました。

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よかった。。。
このうた、みなさんに聴いてもらう前に、ひとつのおおきな役目を終えました。
これで、胸を張ってみなさんに届けられます。

あ、、、
ジャケット、、、みてもらえました?
下書きの段階で、「味のあるいい絵に到達していないただの下手っぴな絵な気がするんですけど、どうすればいいでしょう。。。(締め切り前日)」と不安がるぼくを「色つけて加工すれば大丈夫です!大丈夫ですよ!」とはげましてくれる佐渡島さん(編集者ってたいへん)

で、なんとかしていただいたのがこちら(デザイナーさんぼくを救っていただいてありがとうございます)

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これも見せました。

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曲聴かせてイイかんじのテンションになったぼくはおとうとに聞きました
「今この場所で同じポーズをとって写真撮らへん?」
「いいな!撮ろう!」
と、おなじくイイかんじのテンションになったおとうとと、撮りにいきました。

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ならべてみよう!

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お、おとうと、でかっ笑笑笑
撮影してもらったおとうとの奥さんも「なんかでかい!!」って笑いながらも手の角度がこうだとか表情がああだとか、めちゃめちゃ協力してくれました。おまえたち、サイコウだぜ!ありがとう!


「うた」ってなんなんやろう。ってことあるごとにかんがえます。
「妻」「ファン」「いぬ」「おとうと」と、ふだんは口にださない気持ちを歌詞にしてメロディーをつけてアレンジしてみなさんに聴いてもらう。とてもとても個人的なおもいを。とくに、「妻」そして「おとうと」に関してはぼくだけの話ではありません。特定の人物の、他人に知られる必要のなかったことをさらけだしています。すごく...すごく葛藤があります。本当にいいのか。ふたりとも、いいの?と確認すると「ぜんぜんいいよ」と言ってくれます。ほんとにいいの?ともういちど聞きます。「いいよ」とかえってきます。それいじょうはしつこいので、聞かないようにします。
このうたを発表するには勇気が必要でした。「いじめ」ということを取り扱っているということ。ぼくがこどもをつくろうとしなかったのはぼくのせいでこどもがいじめられるのがこわかったからです。身近にいじめられていたひとがおおかったんです。そしてもうひとつ。このうたはいじめを解決していないということ。結果、「ああよかった」じゃ済まされないということ。もしかしたら、とりかえしのつかないことになっていたのかもしれない。知っているのに何もしてくれない兄が存在しているって、ぜつぼうへのあとおしにもじゅうぶんなり得たとおもうんです。
このうたは、勇敢なおとうとのうた。そして、自分勝手な兄のつぐないきれない懺悔のうたです。
これもひとつの「うた」の在り方。
これからもぼくは「うた」について、「うた」でできることをかんがえたいとおもいます。


あ、もういちまい!
先日インスタライブで漫画家のホリプーさんとコラボした時に描いていただいたすてきな絵!

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このイラストみてたら涙でるねん。ホリプーさんすごい!また一緒に何かできるといいなぁ。


これもやってきました。

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ならべよう!

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たのしかったのよ〜笑

しかし、しかしだ。
帰ろうと車にのり込むも、駐車券がない。車の下も座席の下やズボンのポッケもさいふも、どこを探してもない。

駐車券をなくすほど公園でおとうととはしゃぐ、兄(39歳)であった。。。

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