否定をやめた、その日のこと
前回リリースした「全く以て」以来、2年ぶりの新曲。この2年のあいだに、息子は園に通うようになり、わたしは突然ベイスターズファンになり、福岡で日本シリーズ観戦したり。ほんと、いろんなことがありました。
そんな中で、自己否定をやめようと書いたのが、この「ブラックペッパーと栗」
聴いてもらえると嬉しいです。
こちらよりどうぞ!
Words and Music:けんいち
Vocal:けんいち
Electric guitar , Programming & Arranged:山田航平
Drum:池田しげのぶ
Mixed & Mastered:藤田敦
聴けないぜ!って方は、わたしのえっさほいさ作ったリリックムービー(ワンコーラス)で、全体を想像してくださいませ。
聴いてくれてありがとう。
リリースにあたって、楽曲解説も書いた。どっかにのってるはず。
てなわけで、このnoteでは
・自分の思考の変化、なぜ続けるに至ったのか
・楽曲の温度感と、自分の温度感を揃えるために
・これから
この辺りを書いていきたいとおもう。
否定やめる宣言
歌詞とメロディは、およそ2年前に書いたもの。
この時は、まだ願望でしかなかった。否定をやめたい自分の背中を押すため「もうやめました」と書いた。ようは、宣言である。
そうおもえた、きっかけがある。
一緒に曲を作っているコルクの佐渡島さんに、ライブやイベントで歌唱するたび、自分のパフォーマンスがいかに駄目で、こんなんじゃステージに立つ資格はない。なんて、くどくど言ってた。すると、佐渡島さんが言う。
「それ、けんいちさんが他人に同じように言いますか?きたがわ家(わたしのnoteのメンバーシップ。応援してくれる大切な人!)が、がんばってステージに立ったとして、その人に対して否定するようなこと言わないですよね?どうしてじぶんには言うんでしょうね?」
言わない。。。絶っ対言わない。
ステージに立っただけで拍手。泣いちゃう。むしろ褒めちぎる。いいと感じたことをめっちゃ伝える。
もしその人が今後続けていくのだとして、反省など口にして下を向いていようもんなら、すかさず言う。
「全然大丈夫やって!むしろ、ステージで気付けてる時点ですごいやん。改善していけるってことやん!のびるで〜。のびしろでかいで〜。打ち上げ行こ〜や〜うまいもん食べいこ〜や〜まつりじゃまつり〜!!」
である。
最低限、これだけのパフォーマンスはみせないと失格。人権なし。みたいな、ありもしないボーダーを引いてた。
「大切なもの」から2年前にリリースした「全く以て」
これまで書いて歌ってきたことって、むしろその逆。
いいんやて。それで。いいんやで。悩んで葛藤して情けなくおもったって。ううん、いいんやで。って。
なのに、じぶんはだめって、なに?
それこそ、これまで歌ってきたことと相反してるし、ぼくの歌に何か感じてくれたあなたへの裏切りともとれる。
歌が、うそになっていたのだ。
ぼくの中の変化
ツラツラと書いたものの、「否定しない」が身についたのはここ最近のこと。意識せずとも、否定しなくなったのは。
いつしか、否定は改善のためのヒントになった。短期間でいっきに変わるのはむずかしくとも、一回のライブでひとつ。またその次にひとつ。時に改善がうまくいかなくてもいい。次またトライ。
そのトライ、めっちゃ尊くない?
長期的に物事を考えるようになって、いろんなことが改善した。このリリースで、たくさんの人に聴いてもらえるようになるとも、3月のアルバムで環境が変わるとも、おもわない。人からの評価にモチベーションが揺らぐことが減った。曲を作り続けること、ひとつステージに立つと決意することで、ぼくという人間が、昨日気づけなかった何かに気付いたり、じぶんを肯定する要素になったり。それって売れることより、ぼくの人生にとってとても大切だ。
尊敬するベイスターズのピッチャーがこう言っていた。
本当に、野球には学びがたっくさんだ。
楽曲の温度感、自分の温度感
問題はこの曲の落としどころ。
この歌詞、このメロディをぼくの歌声で歌うと、悲しいよりの歌に聴こえてしまう。その着地点の調整が必要不可欠だった。
今回はギター中心でいきたい。しかしアレンジできないし、どうすればいいか分からない。
そこで、友達の音楽プロデューサーに相談した。
「部屋でひとり、誰が聴くわけでもないギターをだらんと弾いてる。絶望してるでもなく。希望に満ちているでもなく。」そんなイメージを言葉にして擦り合わせた。
それで紹介してもらったのが、ギタリストで楽曲提供から劇伴作家までされている山田航平さん。面識もあり、アレンジを引き受けてくださった。(劇伴ってのは、映画やアニメのシーンに合わせて映像の背景に流す音楽のこと)
いやね、全体ももちろんやねんけど、サビの2個目のコード進行ばこーん変えてくださって、まじかっこよくなったんよ!
あとねあとね
好きなパンを買って、あしたに希望を置いておく。あしたに楽しみをつくるって、すごくいいなとおもうのね。たとえ、ほんの小さなよろこびでも。
そんなおもいが、この部分を足さなきゃ伝わんないかなとおもって、アレンジも完成した後やのに、追加したの。(山田さん、申し訳ない!)アカペラの歌だけポーンと送ったら、こうなってかえってきたん。え?山田さんぼくの気持ちめっちゃ理解してくれてる。って泣いた。劇伴作家もされてるからかな?やさしさかな?こういう引き立て方、曲の頭から最後までの展開、ほんといい。すき!
やめる、からはじまる
じぶん否定はやめたけれど、ソロライブは長らくやってない。
理由は、長時間歌える自信が持てないからだ。3月にアルバムがでるが、ライブを予定していない。それでも今年はイベント等に呼んでいただいて3回かな?人前で歌った。どれも短い出演時間だが、自分にとっては大きな挑戦だった。
少しずつ、ほんとに少しずつだが、歌えるようになってきている。体と慎重に話し合いながら、積み重ねていきたい。
そしてぼくが歌ってきたことに、誠実でありたい。この状態から、ステージで楽しく歌えるようにトライし続けることで、これまでの歌が、これからの歌が、ホンモノになる。最後にどうなっていても。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
この曲を皮切りに、1月2月とシングルを配信リリースをし、3月には9年ぶりのアルバムを配信リリースします。
1月の曲は打って変わってめっちゃ明るい楽曲!たのしみにしててもらえると、うれしいです!