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険しくも楽しい『循環コード』での新曲づくり。 ボツ曲を一挙公開!

「音楽の面白さに、もっと触れていきたい」

先月のnoteにも書きましたが、40歳を超えた今、そんなピュアな想いが沸き上がっています。

そして今回、曲づくりにおいて、新しいチャレンジをしてみました!

みなさん、『循環コード』って知ってますか?

ぼくは、2ヶ月くらい前まで、ちっとも知りませんでした。

循環コードは、ギターをやっている人は聞いたことがあるかもしれませんが、名前の通り循環できるコード進行のことです。「C→Am→F→G」など、そのコードを循環されることで曲として成立させることができます。

例えば、米津玄師さんの『打上花火』は「Fadd9→G→Am7→C」の循環コードを曲の頭から終わりまで循環させています。

テラスハウスでおなじみの、Taylor Swiftの『We are never ever getting back together』も、「Cadd9⇒G⇒D⇒Em7」の循環コードを繰り返しています。

他にも、いろんな楽曲で、循環コードは使われていて、ヒット曲の王道コードとも呼ばれていたりします。

そんな循環コードの存在を、全く知らなかったわたくし…。いかに我流でやってきたかが、よくわかります。

実は、一緒に曲づくりをしている佐渡島さんから、こんなアドバイスをもらったことが、その存在を知るキッカケでした。

「今、世の中で流行っている多くの曲は循環コードが使われているから、けんいちさんも、循環コードを意識した曲づくりをすると、新しい発見があるかもしれませんよ」

このアドバイスを受け、3月の新曲では、循環コードを意識した曲づくりをやってみることに。

そして、実際にやってみると、難航しました…。これまで毎月新曲を作ってきたけど、一番の難産で、ボツになった曲の数はダントツの一位です。

今回は、その試行錯誤の軌跡を共有したいと思います!

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作りなおしの1000本ノック、はじまる。

改めて言うけれども、ぼくは循環コードについて全く知りませんでした。

そこで、元ロードオブメジャーの近藤くんに聞いてみました。

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(あっ。ぼくコード1箇所まちがえてる)

やさしい。24時間365日やさしい。
近藤くんは、この後も疑問におもったことを何度も教えてくれました。

また、ぼくのファンコミニティーである『きたがわ家』には、サックスプレイヤーがいて、その旦那様も現役ばりばりのサックスプレイヤーという、サックスプレイヤーの夫婦がいます(いつか共演したい!)。

コミュニティ内で、さらっと循環コードについて聞いてみたら、Zoomで教えてもらえることに!すると…

「きたがわさん、既に使ってますよね、循環コード。『君がいるから』も循環コード、入ってるし!」

え???あ、ほんとだ。僕の曲にも循環コード使ってるの何曲かあるー!

こんな風に、ピアノを弾きながらやさしく教えてくれました。こりゃいい曲つくるしかねえ。ありがとうございます。せんせい、おれ、やります。

というわけで、制作開始!

はじめは簡単なコード進行からやろう。

だーーーーっとつくったのが、これ。

早速、このデモを佐渡島さんに送る。

実は、循環コードについてアドバイスをくれたのは、佐渡島さんが懇意にしている、あるクリエーターの方(O氏と呼んでおこう)。その人は、ものすごく多彩な方で、誰もが知るアーティストのステージの演出も手がけていたりする。

そのO氏から、こんなフィードバックが返ってきました。

「まだリズムパターンこみでAメロの域から抜けないから、この循環コードでまったく違う曲を3曲作るくらいのテンションで」

最初のデモと比べると、一曲の中にパターンが幾つか増えていることが伝わったかな? もがいてます。。。苦笑。

また、O氏から、フィードバックをもらいます。

「さっきより抜けたかな!でも、まだ変化であって展開ではないね。鍵盤のリズム変えたり、キックを4つ入れたり、ギターをカッティングで入れてみたりして、浮かんでくるメロディの発想パターンに刺激を与えてみて」

それで、またデモを作成。

最後メロどないなっとるんやコレ。。。

構成見直して、もうひとパターン。

この時点でめちゃオモロなってきてる。

このデモを作っている当時に、ぼくが書いた『きたがわ家』内でのブログには、こう書いてありました。

作りなおしの1000本ノック。
まだ1本目やけど。
あと999本いくつもり。
間に合わす。

実力がないことを実感してから、ダメ出しがありがたくて仕方がない。じぶんじゃきづけないことがたっっくさんあるのよねぇ。ばかだからねぇ。

ばかっていうのも自覚してから、ほんと楽になった。やるしかないもん。ぜんりょくで。

音楽づくりを心から楽しんでいる自分が、そこにはいた!

ボツ曲連発! 迷走しまくったデモづくり

上のデモを聴いたO氏から、こんなアドバイスをもらいました。

「むずいよね〜、でも、楽しいのでは?循環コードについて理解を深めるために、循環コードが使われている曲を色々と聴いてみた方がいいかもしれない。歌のメロディーを意識して、聴いてみて」

そうして、O氏から3つの楽曲を教えてもらいました。

(1)Time After Time

(2)ロビンソン

(3)Lemon

腹ペコでおいしいものを食べたいぼくの耳に3曲のご馳走。のどカラッカラの時に飲むキンキンに冷えた炭酸の「ぷはぁぁぁぁあぁ」が耳にも起きた。「ぷはぁぁぁぁあぁ」である。耳が。

また、一曲を通しておなじ循環コードで曲を作る必要はないということに気づく。『ロビンソン』も循環コードが使われるのはサビだけだ。O氏が伝えたかったのは、「ひとつの循環コードで曲をつくるといい」ではなく、「循環コードで曲をつくるといい」ということ。わし、あほすぎる。

ここから、循環コードを使って、いろんなデモを作り始めました。
さぁ、ぼくの迷走ぶりを感じてください(笑)

(O・I・D・O・U・S・I・T・A)

(デモの歌詞はいつも適当。コードいじりだしてる。)

(あんまりすきじゃないマイナーに挑戦。迷子になる)

(上のサビをマイナーに変えた。迷子になる)

(はじめにもどってみた。サビは合唱のイメージ。うううん)

(上とサビだけちがう。メロディをリズムでパターン化してみる。)

(上のメロでトライした最後。これはこれであり。でも歌詞が間に合わないタイプの曲)

(あそんだ。)

(こんなんつくったっけ…?)

(一回シンプルに考えだす。)

最終的に、超絶シンプルな曲にたどり着く

こんな風に、数うちゃ当たる作戦で、思いついた曲を手当たり次第にデモに落とし込んでみたのだけど、どれもしっくりとこず……。ここに掲載していないボツ曲も、まだまだ眠ってます。

そうして、25日に新曲を公開するための締め切りになっても、満足のいくものが完成せず、締め切りを伸ばしてもらうなかで、ようやく手応えのあるデモをつくることができました。それが、これです。

結局、最後のデモは、O氏から教えてもらった参考曲を聴いて、自分なりに解釈してメロディから作り上げた。

ぐるぐるぐるぐるした挙句、超絶シンプルな曲をつくった。

すると、sugarbeansは超絶シンプルなアレンジをしてくれた。ドラム、ギター、ベースの3ピース編成。とうとう彼、エレキギターまで弾いた。

こうして、今月の新曲『あなたのすき』は完成しました。


<STAFF>
Keys , Programming & Arranged by sugarbeans
Mixed & Mastered by 上野 洋

★『あなたのすき』はSpotifyやApple Musicなど、各種音楽配信サービスで配信中!詳しくはコチラ
『あなたのすき』

つよがりのうそ やさしさのうそ
こびりつくのは わるいうそ
こころむずむず あたまごちゃごちゃ
しあわせには 順番がある

笑ってる人ほど 泣いている
弱さをかくすため 着飾る
あまくて しょっぱいなぁ

ガイコツも鼻で笑う
うそがとけてく
犬が猫に 恋をした
ことばがうたになる
うたには宿る
満ちることのない さみしさ

分かってるフリして どうする
弱いと知ってから はじまる
はらはら どきどき

ガイコツも鼻で笑う
うそがとけてく
猫が 犬に 恋をした
おもいはうたになる
うたには宿る
欲があふれちゃう かわいさ

がいこつも花を活ける
あらまおじょうず
あなたのすきは あなたのもの
風が吹くころに
うたは生まれる
わたしもかわろう そうしよう

sugarbeansが自分で言っていたけど、このギターは決してうまくない。でも、それがいい。歌詞のイメージともぴったり。こういうところ彼の音楽プロデュースの凄みです。

きれいに整えられたもの、テンポからまったくハミださないもの、曲のメッセージ性によっては、それらは時に邪魔になる。人間性がにじみ出る音楽って、なにより魅力的だもの。

相変わらず彼になんにも言ってないのに、このイメージの一致する様。ぼくが女の子なら惚れてる。「うちのことめっちゃわかってくれてる」って。実際はおっさんやねんけど。髭面の。きも(ぼくが)。

今回の曲づくりを通して、改めて、わかったことがあります。

いいメロディは計算してつくられている。

コード、リズム、バランス。これは、デザインと言ってもいいのかも。

ぼくは、これまで「おもいつき」で音楽を作ってきた。いくつかのルールをまもりながら。基本は「おもいつき」でいいのかもしれないが、それを聴きやすく、耳がよろこぶように整える行程の大切さを学びました。

またその中での歌詞のあて方。ちょっと音をずらしたメロディに抽象的な歌詞や、余白のある歌詞をいれると、より聴く側のイメージを膨らませられる。音楽が、豊かになる。

今回の新曲の歌詞は、すごく余白がおおい。「あなたのすき」に解釈して味わってもらえたら、嬉しいです。

改めて、音楽って、実に奥が深くて、本当に面白い!

最後に、一連の曲づくりの様子を見守ってくれた、『きたがわ家』のみんなや、インスタライブを見てくれた皆さん、ありがとうございました!

ぼくがどんどん飲めり込むに連れて、みんなの言葉を聞く余裕がなくなっていっても、何時間も見守ってくれたり、ここちのよい優しさをくれたりして、本当に助けられました!

ぼくが音楽に夢中になれるのも、みなさんがいてくれるから。感謝!!


<編集協力:井手桂司>

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