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喜びを思い出させてくれた君に、ありったけの「ありがとう」を届けます

曲づくりをしていると、ふとした瞬間に思うことがあります。

ありがてぇなぁ……と。

ぼくの書く曲をね、楽しみに待ってくれる人がいるんです。そんな人は、この世にひとりもいないと思っていたんですよ。ほんで一回歌うのやめちゃった。バカだよねぇ。

いたんです、ずっと待っててくれた人が。
伝えてくれたんです、「歌ってくれてありがとう」って。

今回、ぼくの曲を待ってくれている人たちに、ありったけの「ありがとう」を込めた曲を作ってみました。 

タイトルは『君がいるから』
どうか、君のこころに届きますように。

<STAFF>
Electric guitar by 堀崎翔
Keys , Programming & Arranged by sugarbeans
Mixed & Mastered by 上野 洋

★『君がいるから』はSpotifyやApple Musicなど、各種音楽配信サービスで配信中!詳しくはコチラ
『君がいるから』

ああ 忘れていた 掻き鳴らす音が
世界のど真ん中だったこと
ああ おもいだした
ぼくの声が 君のこころに 届いていたこと

もう これでいっか もう じゅうぶんだ
ぼくのあたらしいうたなんか だれも のぞんでない

だけど はじめる はじめるんだ はじめようぜ
君を巻きこんで 創造する
ぼくらの あたらしいうた

さらけだせ そーれ 歌おうぜ

ああ 忘れていた 会場のすみで
泣いてる君が みえたこと
ああ おもいだした
その姿に こころがふるえた あの日のこと

やる やれる やらなきゃ やれるんだ
これしかないんだよ じゃない
これが あるんだよ

ひとりじゃ かんがえも しなかった ことだって
君がいるから さぁ一緒に
はじめようぜ かわろうぜ

熾火に薪を くべてくれないか

もうこれでいっか
もうじゅうぶんだ
その 満足にはつづきがあった

ああ 知らなかった
今もこうして そばにいてくれる 君のこと
ああ きづいたんだ
君と歌で 出会えたことが うれしいって
もう 忘れないよ
君がくれた 身に余るほどの この人生
よろこび

感情を音で表現する『Sounds』シリーズ の5曲目です。いつもはファンコミュニティ『きたがわ家』や、インスタライブを見てくれているみんなと一緒に曲を作るんだけど、今回はひとりで黙々と作りました

届けたいのが、いつも聴いてくれる「君」だから、完成したものを聴いてもらいたかった。

こういう曲ひっさしぶりにつくりました。つくれました……かな。
むっずいのよ!こういう曲!

では、この曲がどう生まれたのかを、お話したいとおもいます。

はじめの音を鳴らした瞬間、心が湧き上がる曲を

さかのぼること、数ヶ月前。

新型ウイルスの影響により、3月に予定していたライブが中止になったりし て、何か違うやり方で応援してくれるみんなと繋がれたらと思いました。そこで、4月の頭ごろから、毎日時間があればインスタライブをすることに。

すると、こんなことが起こったんです!

ぼくのインスタライブがきっかけで、見知らぬ「誰か」と「誰か」が出会って、集い合う関係が生まれるなんて、すごい……!

そんな感動を覚えました。

それで、ぼくも「誰か」がやってるインスタライブをのぞきにいったら、その人が好きな曲をランダムでず〜っと流してたのね。あくまで曲はバックで流れてるだけ。基本は、雑談したり、質問に答えたり。

ところが、ある曲が流れはじめたら……
突然、その人が歌い出したの!

その姿を見て、ぼくは嫉妬した。

イントロが流れた瞬間、スイッチが入ったかのように気持ちが高揚して、一緒に歌いたくなる。そんな曲を、つくりたくなりました。

……とは言っても、そんなの簡単に作れません。
きっと時間が必要になるだろうと思いました。

なので、7月に発表した『Barber』と同時進行でつくりはじめることにしました。ほんとは8月の曲にしようとおもってたんだけど、もっとじっくり考えたかったので今月に。だから制作期間は丸2ヶ月かな。

まずは、曲のテーマを考えました。

曲のあたまから「ガン!」といく曲は、最初からテンションが高くなくっちゃいけない。なので、ここ最近でいっちゃん(いちばん)こころが動いたことは何かを考えました。

あった!

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言わずと知れたこの人、元ロードオブメジャーのギタリスト近藤信政

彼といっしょにインスタライブやったり、十数年ぶりに曲つくったりして、彼といろんな話をしていました。ちなみに、上の写真は、「がったーーーーい!!」する真夜中5時の思考が停止しているフタリです。

あまり過去を振り返らないぼくも、久しぶりに近藤くんと過ごすなかで、あらためてロードオブメジャー時代を思い返しました

すると、愛犬との散歩中に、ふとこんなことが頭に浮かびました。

『ロードオブメジャーのライブって、ドラムのカウントか、ギターの音ではじまるなぁ。ステージにあがって、じぶんの音を鳴らした瞬間に、会場のフロアがいっきに沸くのって、しびれるんやろうなぁ』

あ、なんかうかびそう。。。
。。。
。。。
。。。
きた!!!

ああ 忘れていた 掻き鳴らす音に
期待がいっせいに爆発したんだ

最終的に歌詞は変わったんやけど、このフレーズが頭に湧き上がりました。
その瞬間「この曲いける!」って、思いました。

そして、同時に、こうも思いました。

『当時は歌うことに精一杯過ぎて気づかなかったんだけど、ものすごく楽しみに観にきてくれてたんやろうなぁ。ぼくらの歌を』

熾火に薪をくべてくれて、ありがとう!

早速、一緒に曲作りをしている佐渡島さんに方向性を伝えてみました。

佐「なるほど。それで、この歌でなにを伝えたいですか?」

け「『のんびり、ゆるーく、歌っていこー』と思っていて、そういう舞台はもう要らないと。過去にそういうライブをしていたことも、これからの未来に必要のないことだと思って、完全に捨ててたんです。でも、今こうしてまた歌い出して、そういうじぶんのこれからを思い描くようになったんです。」

佐「それは熾火(おきび)ですね」

け「おきび…? おきびって、なんですか?」

佐「バーベキューなんかで、消えてはないんだけど、ずっと火がついてる炭があるじゃないですか。そんな感じで、けんいちさんも昔の自分を完全に捨てたわけじゃないと思うんです。自分の中でずっと火は点いていて、だけども気づかなかっただけと思うんです」

だとしたら、なんてかわいいんだ。
わたしの熾火ちゃん、マジありがとう。

佐「それで、曲を通じて何を伝えたいですか?」

今思えば、この佐渡島さんの質問が肝だった。

肝といえば佐渡島さんに教えてもらった低温調理器で作った肝をごま油塩につけてたべるのが、まじで最高だ。すまん、これもどうしても伝えたい。まじでうまいんだ。もどります。

け「えええっと。。。。あきらめたり、やめたり、そんなぼくの歌をずっと待っててくれた人がいたことが嬉しくて。そんなみんなのおかげで、今またこうして楽しく音楽を作れていて、一緒につくったりもほんと楽しいので、

うーん……ありがとう。。ですかねぇ」

佐「いいですね!応援してくれたみんなに対して、『熾火に薪をくべてくれて、ありがとう』のメッセージでもあり、『この熾火を絶やさないために、これからも一緒に薪をくべてくれ』というメッセージにもなりそうですね」

曲の全体像がみえた瞬間だ。

ぼくがコルクに所属するときに、佐渡島さんが提案してくださって、ぼくがワクワクし、もう一度うたいはじめる動機になったことがある。

それは、SNSでみんなとつながって、みんなと曲をつくること

この1年間、それを続けたことによって気づいたこと。そして、これから気づくだろうこと。過去と現在のじぶんを繋いで、この先の「道しるべ」となる曲をつくる。絶対にいい曲にしたいと思いました。

感情にあわせて、音もリズムも試行錯誤

いつもそうだが、ここまでくると曲づくりが一気に進む。

体調のいい日。なんだかできそうな日を選んでメロディーを作る。いろんな自問自答が頭の中に巻き起こる。

「あれ……このままいくと、聞いてくれる人と一緒に歌う感じじゃなくなるぞ!?」
「んん……でもこの曲、ライブとかで合唱したいしなぁ…。あ、ウォーオーオーとかいれてみるか!」
「でも、40歳にもなってウォーウォーとか、どうなの? なし……かな。いや!アリなウォーオーオーが、どこかにあるはず!」

結局、ウォーオーオーどうするか問題は、「男はだまってワンコードだろ!」っつーことで、ウォーウォーはワンコードを採用。ベタにして、ちょいひねりでシンコペーションをこれでもかと使いまくった!

Aメロは、じぶんに言い聞かせる心の声なので、低いキーからレンジを広くして、感情が高まるにつれてキーを高くし、メロディアスに構築した。

次はBメロ。サビの入り口が割と低いキーなので、サビを際立たせるためにはどうすればいいか? 

Aメロとサビがコードの移り変わりがゆるやかなので、Bメロはコードチェンジがはやくていいかも。はやい曲って一本調子になりがちなので、ここがフックになるようにしたい。

ということで、Bメロだけ4拍子から3拍子に変えてみた。そして浮遊感をだしつつ、サビにむけて助走もつけたい。なので、歌詞でいうところの

さらけだせ そーれ うたおう

この「うたおう」まで3拍子で、アタック音のある「ぜ」で助走をつけつつ、4拍子に戻って、いざ!サビへ!

2番は

熾火に 薪をくべてくれない

おなじくアタック音のある「か」で助走をつけつつサビへ!

これでサビがサビらしく聴こえるようになった。はず。

そして問題のDメロ。。。

もうこれでいっか もうじゅうぶんだ
その満足には 続きがあった

この濃いところ、音程分かんない。レコーディング終わったんだけど、今も分かんない。外れてたらしい。(みなさんに聴いてもらってる音源はエンジニアの上野さんの修正済み)ほんっと、お手数をおかけしまして。。。

これ、めずらしいのよね。4つメロディーがある曲って。
1曲の中にメロディーは2つか3つのが好きだから。

でも今回、歌詞をこれ以上削れなかった。

だから最後のサビも3回繰り返し、その前にサビの変形の、おちメロなこのDを作った。メロディーだけでいったら、サビは2回で終わりたいんだけど。それだけ、歌詞もたっくさん書きました。

デモの段階からだいぶ変わってます。よかったら聴き比べてみて〜

ひとつひとつの歌詞に込めた想い

さて、ここから歌詞と向き合います。

最終的には、デモの時点の歌詞より、相当よくなったと思います。

その大きな要因として、佐渡島さんが「一度やめていたこと。そして、どうしてまた音楽を再開したのかが、歌詞からもっと伝わるといいですね」と、ストーリーを整理してくださったから。

ああ 忘れていた 掻き鳴らす音が
世界のど真ん中だったこと
ああ おもいだした
ぼくの声が 君のこころに 届いていたこと

昔は、「じぶんたちが1番いけてる」と思ってたんです。ステージの上で、そう信じるって、すごく大事なことだと思います。

……が、思えないんですよね。今の僕は。

もう これでいっか もう じゅうぶんだ
ぼくのあたらしいうたなんか だれも のぞんでない

だけど はじめる はじめるんだ はじめようぜ
きみを巻き込んで 創造する
ぼくらの あたらしいうた

さらけだせ そーれ 歌おうぜ

待ってくれている人が、ぼくの歌を聴きたいって言ってくれる人が、いたんです。「聴きたい」って「歌ってほしい」って言ってくれたんです。

はじめは信じられなかったんです。でも、何ヶ月、何年経ってもそう言ってくれる「君」のおかげで、こころから信じられるようになったんです。じぶんの歌も。

この「巻き込んで」「さらけだせ」っていう歌詞は、所属する事務所のコルクのValueから拝借してます。

今のぼくは、はじめて佐渡島さんと話したコルクの会議室からはじまりました。歌う気のなかったぼくに、あたらしい歌のつくりかた、やりがいを教えてくれたんです。

ああ 忘れていた 会場のすみで
泣いてる君が みえたこと
ああ おもいだした
その姿に こころがふるえた あの日のこと

忘れないのよね。
いつまでたっても。
あの日の「君」が、このうたを聴いてくれたらうれしいなぁ。

やる やれる やらなきゃ やれるんだ
これしかないんだよ じゃない
これが あるんだよ

19歳のころかな?「お前バンドしかないなぁ」って投げかけられた嫌味です。なんでか、たまに思い出すんですよね。そんなん根にもって嫌なやつだよねぇ。ほんと笑。

まぁ、やめたりなんやかんやあったんですけど、それでも今もこうしてやれているのは、これが「強み」って言っていいんじゃないかと。。。当時悔しがってたぼくへのメッセージだったり。

ひとりじゃ かんがえも しなかった ことだって
きみがいるから さぁ一緒に
はじめようぜ かわろうぜ

熾火に薪を くべてくれないか

この「はじめようぜ かわろうぜ」の部分。
どうしようか、最後まで迷いました。

僕なりに、押しつけるような歌を、つくらない様にしてきたつもりなんです。でも、もしかしたら変わろうとしているけど、一歩踏み出せない人には、いい応援になるんじゃないかと思って、こうしました。

もうこれでいっか
もうじゅうぶんだ
その 満足にはつづきがあった

満足したら終わり。って聞いたことありません?

ぼく、満足しちゃったんですよね。で、すっきりやめた。

やめたら後悔とかあるんかなって思ったら、まっっったくなかった。歌のこと考えなくていいし、喉のケアも練習もしなくていいから、毎日めっちゃ楽しくて幸せだった。

でも、つづきがあったんです

そのつづきが、そんな楽しい日より、もっっっとたのしかったんです。
それが、今なんです。

ああ 知らなかった
今もこうして そばにいてくれる 君のこと

ごめんなさい。

疑り深いぼくが、こう実感するのってほんとに時間が必要だったの。

正直なところ、ファンコミニティが決め手になりました。何人かがnoteに書いてくれたんだけど、誕生日のぼくをよろこばせるために大事な時間を費やして、考えられないほど愛のあるサプライズを用意してくれて。ああ。。思い出しただけで泣きそう。。。

それで、ファンコミニティ関係なく、TwitterやインスタなどのSNSで「いいね」やコメントしてくれたり、音楽を聴いてくれたりしてくれる人って、本当に味方でいてくれてるんだなぁって思えるようになった。

気づかないぼくって、バカだよねぇほんと。

ああ きづいたんだ
君と歌で 出会えたことが うれしいって

すべては、君がいるから!

ぼくの曲を楽しみにしてくれる人たちがいる。

本当に、ありがてぇ……と、心から思います。

でも、同時に、ぼくの歌を聞いてくれるわけも、すごく気になります。

声?歌詞?メロディー?

いろんな理由があると思うし、それがなんだっていいんだけど、このnoteをここまで読んでくれてるって、相当すごいよ……笑。

だから言うんだけど、ぼくのどこに惹かれたのかに、ものすごく興味があるんです。

ぼくという人間の思考や思想って、ぼくの曲に「これでもか!」ってくらい詰まってるのね。だから、それを聴いて来てくれてる人って、もしかしたら誰よりも僕のことをわかってくれるのかもしれない。そんな風に、どこかでちょっぴり思っちゃう。

それが、すごくうれしいの。こんなうれしいことって、そうそうないもん。

もう 忘れないよ
君がくれた 身に余るほどの この人生
よろこび

じぶんの駄目さって、じぶんでも少しは分かるから。ぼくにはほんともったいない。「君」の優しさは。

ありがとう。

そんな、歌です!
ああ、「さらけだした」んじゃないかなぁ!

今のぼくでいられるすべては、今回も最高のアレンジと楽器を演奏してくれたsugarbeans、堀崎翔。最高の音に仕上げてくれたエンジニアの上野さん、それにコルクの佐渡島さん、どんなときも支えてくれる古川さんはじめ…

君がいるから

なんです。

身に余るほどのよろこびを抱え、ぼくらの音を一緒に掻き鳴らしていこう!


<編集協力:井手桂司>

お知らせです!!

■ファンコミュニティ『きたがわ家』、やってます!

ファンのみんなといっしょに面白いことを企画して、作品をつくったり遊んだりできる、そんなぼくらの居場所きたがわ家をつくりました。

どんな家なのかというと、住人のひとりのaynさんがTwitterで紹介してくれてます!これからも同居人を募集するので、興味がある人は是非!

■Instagramにて、暇さえあればインスタライブを開催中!

月曜日の夜11時から毎週インスタライブを開催してます!また、暇さえあれば、インスタライブをやってるよ(笑)ゆるい放送ですが、遊びに来てくれると嬉しいです。Instagramはコチラから!

■Youtubeチャンネルもやってます!

曲のMVをはじめ、ライブ映像も公開してます!よかったら、のぞいてみてください!


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