「好き」でイライラを塗りつぶそうぜ!
"もう やりたいことだけやろう。
会いたい人とだけ会おう。
そんで好きでいちにちを、好きで毎日を、
埋め尽くそうぜ、埋め尽くそうぜ"
今月の新曲『つづく』の歌詞の一部です。
ぼくはやりたくないことを「やりたくない」と言えず、やりたいことを「やりたい」と言えない人でした。
今は、ただただ、やりたいことをやっています。
つよくなったから。
自信がついたから。
ううん、きっとちがう。
顔色をうかがって、「まわりとうまくやろう」「期待に応えよう」とする自分は変わらずいる。
やりたいことをやれるようになったのは「環境」です。
これがやりたい。そう言える安心と安全が保証されてると思えたからです。だから、言えるようになった。
前より強くなったわけでも、自信がついたわけでもない。環境次第で、口をつぐむ人間なのは変わりないのかもしれない。
もうひとつ。
じぶんのつくるものにたいして、いい時は「いい!」。よくない時は「あんまり!」と言ってくれる「味方」がいるから。ぼくが間違っていたら、「違うんじゃない?」と言ってくれる味方がいるから。だから、こんなぼくでも発信できる。
誰かの言うことをそのままするのは、ある意味で楽だったりします。なにかあったときに誰かのせいにできるから。
でも、じぶんが主体の人生を生きると、あの日決めたんです。
そんなことをかんがえ、この曲を書きました。サビの歌詞あたまの「もう」は、そういうことです。「もう」なんです。聴いてください!
<STAFF>
Keys , Programming & Arranged by sugarbeans
Mixed & Mastered by 上野 洋
★『つづく』はSpotifyやApple Musicなど、各種音楽配信サービスで配信中!詳しくはコチラ
『つづく』
ピカソがこう言った
「一枚の傑作を描くよりも
その画家が何者であるかということが重要だ」と
ぼくはこうおもっていた
「一曲の傑作をつくるために
ぼくの人生など、どうなったっていいんだ」と
そのためだと じぶんにたくさん うそついたら
心は死んでいく ばかりだった
もう やりたいことだけやろう 会いたい人とだけ会おう
そんで好きでいちにちを 好きで毎日を
埋め尽くそうぜ 埋め尽くそうぜ
やりたいことだけやろう 会いたい人とだけ会おう
そんで好きでいちにちを 好きで毎日を
埋め尽くそうぜ 埋め尽くそうぜ
えらくちらかった この狭い部屋が好きだ
こんがらがった 何かが今にも 生まれそう
やりたくないことやめてみたら 結果はどうあれ
心が生き返るのが分かった
もう やめたいことやめてみよう 会いたくなきゃ会うのやめよう
だって君のじかんは 君のものなんだ
やめるのだって 踏み出した一歩
やめたいことやめてみよう 会いたくなきゃ会うのやめよう
だって君のじかんは 君のものなんだ
やめるのだって 踏み出した一歩
でも やらなきゃいけないこと
ため息がでちゃうようなこと
ぜんぶ好きでやなことを 好きでイライラを
塗りつぶそうぜ 塗りつぶそうぜ
やらなきゃいけないこと
ため息がでちゃうようなこと
ぜんぶ好きでやなことを 好きでイライラを
塗りつぶそうぜ 塗りつぶそう
今 きみがよろこぶ 歌がうたいたい
・・・
その歌い手が何者であるかを歌い上げろ!
以前は、「いい曲をつくる」が全てだと思っていました。
そして、「いい曲」かどうかは、CDの売れた枚数が物差しになると。
でも、必死でやってるうちにだんだんと苦しくなって、ぐちゃぐちゃに悩んで、自分の「好き」が分からなくなりました。
そんな時に読んだ岡本太郎さんの『今日の芸術』という本に書いてあった言葉が、なんだか胸につっかえたんです。
ピカソが、かつてこんなことを言った。
「一枚の傑作を描くよりも、その画家が何者であるかということが重要である」
この言葉を、だんだんと自分なりに噛み砕いて行きました。これを、ぼくに置き換えてみると…
「一曲の傑作をつくるよりも、その歌い手が何者であるかということが重要である」
確かに、どんな歌をつくっても、ぼくが歌で言っていることと、全く違う人生を歩んでいたとしたら、それってどうなんだろう?ウソにならん?
自分でうたう歌を、自分の人生で証明する。
そうすれば、歌の持つ力も、増す。
ぼくが何者であるか?
それによって歌の持つ意味も変わります。
こんな人生を歩んできた人だから、こんな歌をかいた。
創作物は、その人を表したものだから。
もちろん生きていくと、いろんなことがあります。思考は少しづつ変わっていくので、歌うメッセージも変わることはある。でも、そう思っていた過去の自分は本物で、それは自信を持って歌えます。
そんなわけで、”現在のぼく”が何者かを歌にしました。
「やる」と「やめる」は、表裏一体
"やめるのだって 踏み出した一歩"
『つづく』では、「一歩」という表現が登場します。
でも、ぼくは「一歩」って言葉を、あんまり使わないようにしてたんですね。ぼくの声で「一歩」って歌うと青春感がでてしまう気がして。
でも、今回はしっかり使ってます。20歳のぼくが歌うのと、40歳のぼくが歌うのでは、同じ言葉でも全く意味が変わってくる。同じ「一歩」でも全然違う。ほんと、おもしろい。
「やめる」って、なんだか「立ち止まる」「元に戻る」「ゼロから」みたいに捉えられることがあるんだけど、実は決断して「踏み出した一歩」なんですよね。だから、「やりたいことやる」と「やめたいことやめる」は表裏一体だったりします。
「小確幸」で、嫌なことやイライラを塗りつぶせ!
曲ができあがっていくと、エンディングをどこへ向かうかで悩みました。
やりたいことだけやって、会いたい人とだけ会って…。でも、そんな風には、なかなか生きていけないよなぁ……と。
考えた末、最後はこう歌っています。
"でも やらなきゃいけないこと
ため息がでちゃうようなこと
ぜんぶ好きでやなことを好きでイライラを
塗りつぶそうぜ 塗りつぶそうぜ"
ぼくも、しんどいこと、やっぱりあります。
そんな時は「小確幸(しょうかっこう)」で塗りつぶしてやります。
小確幸というのは村上春樹さんの言葉で 、小さいけれども、確かな幸福のこと。一緒に曲作りをしている佐渡島さんのブログで知りました。
これまで、『おはようがすき』『ごはんできたよー』とか、ぼくが感じる小確幸をいくつも歌にしてきました。当たり前のように見えて、「あ、これひたすらにあったけぇ!あったけぇ!」って思える小確幸が、実は身の回りにたくさんある。でも、すぐ当たり前になっちゃって忘れるんやけどね。
生きていると、自分ではどうしょうもないことってあるやん?
それも「小確幸」で上書きして塗りつぶしてやろうぜ!
って、そんな歌!
ちなみにぼくは、なんかあったらケーキ買う。コーヒーいれて。あとはスマホゲームでしょ。あと歌うとか、犬にわちゃわちゃするとか、妻に聞いてもらうとか。ドライブとか!海みにいくとか、いーーーーっぱいある、小確幸!
みんなはある?
ようはアレ。どうしようもないことって、考えても仕方かったりするやん?考えたくなくても、忘れたくても、呪いのように心をエグられるようなことから、意識をそらそう。ってことでもあるのよね。
そのお手伝いを、歌ができると嬉しいんやけどね。
素直に、ぼくが今一番やりたいこと
そして、一番最後の歌詞。
"今 きみがよろこぶ 歌がうたいたい"
これ無意識で歌ったの。
デモ録音してて、最後に何かほしいなぁ。
とりあえず適当に入れとこう。
で、この歌詞がでてきた。
そのことを、この曲を一緒につくった佐渡島さんに話したら、こんな言葉をくれた。
「人ってじぶんをよくみせたいとか、立派におもわれたいとか、そんな気持ちが働いて余計なことを言ってしまったりする。だから、素直におもっていることを書くのが、難しくなってくるんですよね。」
沁みる。沁みまする。
いい温度感のメッセージをもったアレンジに!
"えらくちらかった この狭い部屋が好きだ
こんがらがった 何かが今にも 生まれそう"
こんな歌詞が登場するけど、サウンド面もこれまたこんがらがっている。
アレンジのsugarbeansが、デコボコをきれーーーーーにならしてくれているのでわかりづらいと思うんだけど、
そのためだと じぶんにたくさん / うそついたら
心は死んでいく ばかりだった
はじめからBメロのこの「〜じぶんにたくさん」 までがシャッフルというリズムで「うそついたら〜埋め尽くそうぜ 埋め尽くそうぜ(サビおわりまで)」が普通の8ビートにきりかわってる。で、1番終わりの間奏からまたシャッフルに変わっている。テクい!
もともとはじめのところも8ビートで作ってたんだけど、探しても探してもピカソの言葉が入ってくるメロディが浮かばなかった。で、苦肉の策でシャッフルにしたら言葉が生き生きとしだした。
でも、「これ、リズムの違うメロディが合体してるけど、成立するのか?」と不安だったけど、sugarbeansがアレンジでカバーしてくれた。その不安いっぱいの無茶ぶりデモがこれでござる。
サビの演奏が、ずいぶん違うことにも気づいてもらえただろうか?
デモとsugarbeansの演奏ではメッセージが少し違って聴こえるようにおもえる。アレンジしてもらったものは、とてもいい温度のメッセージになっている。ぼくのは今聴くと、少々あつくるしい。
しかし、曲の頭のコード。なにあれ最高。あのピアノだけで世界観をしっかりとつくりだしてくれている。だいすきだ。
そしてこの世界観からサビのこの疾走感。
エンジニアの上野さん、まじ最高です!
最後に
完成してから、最後に曲名は『つづく』としました。
"今 きみがよろこぶ 歌がうたいたい"
ぼくのおんがくが「つづく」というよろこび。
そしてこの先への、期待をこめて。
<編集協力:井手桂司>
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